にっきのとっぷにもどる2003ねん 10がつ のとっぷにもどる


まえのにっきつぎのにっき

2003 10/13 ; あおぞらの ように

つぎの朝、えりこさんは てぃら先生を抱きあげて、
「ごめんね、また ちょっとだけ、がまんして。」
って言ったんだって。

それから、えりこさんが お仕事の前に よく飲む、ハーブティの いい香りが してきて、先生は気を失った。
それでもってね、何日かして、目が覚めたときには、先生の目は お部屋の かがみに吸いついちゃったよ。
からだが まるで春の日の青空みたいな、やわらかいブルーに染まっていたんだ。
せなかの縫い目が こころなしか しゃきっとして、何もかもが ぴかぴか して見えた。

先生の頭に浮かんだのは、えりこさんがスカーフを染めたくて、たくさん たくさん、集めていた、小さな青い木の実だった。実に くっついてる 赤い星のような形のものを、ひとつひとつ はずしていた えりこさんの顔を、先生は思い出した。
「わたし、この、青いからだ、だいじにするわ。いつか、おわかれする日が来ても、えりこちゃんのこと 忘れない。」

だから、ぼくが教わったのは、もう青い先生だった。
ちょっと顔つきは恐いけど、おしゃれで いせいが良くて、青空みたいな てぃら先生は、今も元気で古里の じゅら紀の星で教えてる。
いつか、また、会えるといいな。
えへ、またね〜〜。

まえのにっきつぎのにっき


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