るどだよ。
今日は たっくんの おうちの「メリーちゃん」から お手紙が来たよ!
こんにちは。
きょうは、わたしが どうして ここの おうちに いるのか
おはなししますね。
あれはわたしの毛皮がまだふかふかだった頃のこと。
暗い箱の中から、急に明るいお部屋に連れて来られて きょろきょろしていたら、となりにいたクマさんが教えてくれたの。
「ここはぬいぐるみうりばっていうんだよ。気に入った子供が来たら『おうちにつれてって』って、テレパシーを送るのさ。」
やってきたのは小さな女の子でした。
黒いヴァイオリンケースを抱えて、大きな目でじいっとこっちを見ています。
わたしが どきどきしていると、女の子はふいに、にっこりほほえんで言いました。
『ひつじ、みたい』
えーっ?わたし、犬よ!この白い毛皮は れっきとしたプードル犬の特徴なのよ!
と思わず言いかけた時、お母さんらしい女の人が来て、女の子に言いました。
『どれにするか、決めた?』
『うん。ほら、この子、まんまるい目してこっち見てる』
女の子はわたしをそっと抱き上げると、小さな声で歌い出しました。
『めえーりさんの、ひっつっじ、ひつじ、ひつじ♪』
だからぁ、わたしは羊じゃぁないって…。
『この子のなまえは、メリーにしよう』
こうしてわたしは まちなかの 大きなデパートから その子のおうちに来たのです。
あとで知ったのですが、わたしは
「ヴァイオリンのお稽古を一年間がんばって続けたごほうび」
だったんですって。
それではまた。ごきげんよう。
メリーより
えへ、そうなのかあ。
また新しい ぬいぬい ともだち できちゃった。うれしいなぁ。
そういえば、メリーちゃんには宇宙に いたころの記憶はないらしい。ぞうくんたちと 同じだね。
ふしぎだな。
ちょっと 調べてみなくっちゃ。
えへ、またね〜〜。
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