はるにーちゃんには ともだちが いた。
ひつじのほしの らむちゃんだ。
しろい けがわは ふかふかで、おおきな まぁるい めを してた。
むかし はるにーちゃんが ひつじのほしに いったとき ふたりは であった。
ほしを でる とき にーちゃんは
「いっしょに ちきゅうへ いかない？」
って きいたんだって。
だけど らむちゃんは こたえた。
「わたしは ここで やることが あるの。」
「だれかが ねむれない よるを すごしている とき、わたしは さくを とびこすの。 なかまと いっしょに くりかえし…。」
「そうすると どうなるの？」
「どうにも ならないかも。 でも それが しごとなの。
ねむろうとして ねむれないでいる ひとたちには、とおい ほしで こりもせず さくを とびこえてる ひつじが いたって いいもの。」
「そうか。」
にーちゃんは しばらく だまってから、やっと いった。
「さびしく なるな…。 でも、げんきでね。」
「ありがとう。 あなたも。」
らむちゃんは さいごに わらったんだって。
それから にーちゃんは、ときどき ねむれないひとの ふりをする。
よなかに こっそり、さくを とびこえる ひつじを おもいうかべるんだ。
もしかしたら そうしてると、らむちゃんに ゆめで あえるのかな…。
あ、ぼくが このこと、きるひーにーちゃんから ききだしたって、はるにーちゃんには ないしょだよ。
じゃぁ、またね。
